top of page
  • 朝野裕一

筋力についてもう一度しっかりと考えてみよう:その3

筋力を神経信号の結果として捉えるお話をしてきました。

神経からの電気信号をモーター・ユニットという単位で受けて筋繊維が

収縮し、外に力を発揮することになります。

では大きな力を出すにはどんなことが必要なのでしょうか?

次の図をご覧ください。

画像が鮮明でなく申し訳ありません。

下の丸が筋肉を横断してみた図です。

上のグラフは、縦軸が筋出力の大きさを、横軸が参画した(実際に働いている)モーター・ユニットの数(下の赤丸部分)を示しています。

参加するモーター・ユニットが多ければ多いほど多くの筋繊維が働く

ので、発揮される出力である筋力も大きい値になります。

それ自体は当たり前のように聞こえると思いますが、ここで言いたい

ことは別にあります。

いくら筋肉が太くてても、実際に収縮する筋繊維の数が多くなければ、

大きな力は出せないということです

これも聞けば当たり前に聞こえるかもしれません。でもそれだけ神経の

信号の有無が、筋力発揮には必要不可欠であるということです。

そしてこの神経刺激の多寡は、色々な要因で変わってきます。

疲労や力を入れようと思う意思が少なければ、神経の刺激(発火と

言われています)量は少なくなり得るし、逆に周りからの掛け声や

大きな音などによっても、神経発火量は多くなったりします。

筋力というのは、筋肉の見かけの太さだけではなく、このような多くの

条件によって、発揮量が変わってくるのです。

最大の努力(最大随意筋力と呼ばれています)をしたと仮定すると、

筋肉の太い人の方が細い人よりも多くの力を発揮できるということは

言えますが、一概に太い・細いだけでは語れない理由がこのように

あるわけですね。

重い負荷を与える筋トレをする理由は、あくまで多くの神経の参画を

促し、多くのモーター・ユニットを活性化(賦活と言います)する

ために行うことになります。

それ以上に重要なのが、

その筋肉をいかに意識して使おうとするか?だと考えられます。

重い負荷を与える以前に、目的とする筋肉がどこにあり、それをいかに

意識して収縮させるか?→神経の働きを促すこと、が重要になります。

※いたずらに重い負荷を与えることで、他の筋肉の参加=代償動作を

促す結果になっては、目的を果たしたことにならない場合もある、

ということです※

どうでしょうか?

まずは鍛えたい筋肉がどういう動きで働くのか?代償運動とはどういう

もので、それを防ぐには何に注意したら良いのかなどを考えながら、

不必要に辛さだけを求めることなく、探究心を持って取り組めれば、

筋トレもまた別の視点で捉えることができるのではないでしょうか?

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

閲覧数:11回0件のコメント
bottom of page